Q:今日質問にお答え頂くのは、政府原子力被災者生活支援チームの金内理恵さんです。金内さん、よろしくお願い致します。
A: どうぞ、よろしくお願い致します。
Q:先週16日、原子力損害賠償紛争審査会は、中間指針の第二次追補を発表しました。本日はその内容についてお伺います。
A:原子力損害賠償紛争審査会は昨年8月5日、「原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」を発表しました。その後、昨年12月6日に「中間指針第一次追補」を発表し、自主的避難等に係る損害について指針を示しました。
今回の「中間指針第二次追補」は、現在、政府が進めている避難区域等の見直し等の状況の変化を踏まえ、
1)中間指針や第一次追補の対象となった政府による避難等の指示等に係る損害、
2)自主的避難等に係る損害等に関して今後の検討事項とされていたこと
等についての考え方を示すものです。
なお、これらの指針に明記されなかった損害がただちに賠償の対象にならないといったものではなく、個別具体的な事情に応じて賠償の対象となることがあり得ます。
Q:今回の第二次追補では、具体的にどのようなことが示されたのでしょうか?
A:今回の※中間指針第二次追補では、避難費用及び精神的損害については、
1)政府による避難指示区域の見直しに伴い再編が行われることとなっている避難指示区域
2)旧緊急時避難準備区域
3)特定避難勧奨地点
の3つの区域ごとに、考え方を示しています。
Q:避難指示区域について、区域見直し以降、それぞれの区域について、どのような賠償が行われるのでしょうか?
A:区域見直しから損害の終期までにおける精神的損害については、見直し後の区域毎に次のような考え方が示されています。
1)避難指示解除準備区域については、1人月額10万円を目安とする。
2)居住制限区域については、1人月額10万円を目安とした上で、概ね2年分として1人240万円を請求することができる。
3)帰還困難区域については、1人600万円を目安とする。
Q:次に、「旧緊急時避難準備区域」についてはいかがでしょうか?
A:緊急時避難準備区域については、昨年9月30日に指定が解除されており、区域内にお住まいだった方の避難費用及び精神的損害については、中間指針で示されたとおりですが、賠償の対象となる期間については、楢葉町を除き、今年8月末までとし、それまでの間、1人月額10万円を目安とするとの考え方が示されました。
なお楢葉町につきましては、区域のほとんどが避難指示区域である等の特別の事情があることを考慮し、今回の措置の対象外とし、今後の状況を踏まえて判断していくこととしています。また、これ以外についても、特段の事情がある場合については、個別具体的な事情に応じて柔軟に判断することが必要であるとしています。
Q:「特定避難勧奨地点」についてはいかがでしょうか?
A:特定避難勧奨地点にお住まいだった方の避難費用及び精神的損害についても、中間指針で示されたとおりですが、避難指示等の解除等から3ヶ月経過するまでの間を賠償の対象期間とし、それまでの間、1人月額10万円を目安とするとしています。
Q:事業者の方や事故によって仕事を失った方の損害について、いつまで賠償されるのか大変気になるのですが、いかがでしょうか?
A:これまでの指針で今後の検討事項とされてきた事業者の営業損害や就労不能等に伴う損害については、今回の第二次追補においても、当面は終期を一律に示すことなく、個別の事情に応じて合理的に判断することとされています。
また、営業損害を被った事業者や就労不能になった方が、転業・転職その他、特別の努力により得た利益や給与等については、損害額から控除しない等の合理的かつ柔軟な対応が必要とされています。
Q:もう少し具体的に教えていただけますか?
A:はい。事故発生後に、営業や就労により得た利益や給与については、一定期間または一定額の範囲を「特別の努力」によるものとして、損害額から控除しない、すなわち、賠償金額から差し引くことはしない等、合理的かつ柔軟な対応が求められています。
Q:事故に伴う家や土地などの財物の価値の喪失や減少についてはいかがでしょうか?
A:帰還困難区域内の不動産の価値については、事故発生直前の価値を基準として、100%減少したものとする、居住制限区域内及び避難指示解除準備区域内については、避難指示解除までの期間等を考慮して、一定程度減少したものと考える、とされており、また、この「事故発生直前の価値」についても、居住用の建物にあっては同等の建物を取得できるよう配慮することを求めています。
Q:自主的避難等に関する損害についてはいかがでしょうか?
A:自主的避難者の損害については、第一次追補で昨年12月末までの考え方が示されましたが、今回の第二次追補では、今年1月以降について、全般的に状況が変化しているため、市町村単位での区域の設定は行われませんが、少なくとも子どもや妊婦については、合理性を有していると認められる場合には賠償の対象となるとされています。
Q:除染などに関する損害についても、指針が示されたということですが、いかがでしょうか?
A:はい。今回の事故に由来する放射性物質の除染に関する費用については、除染等に伴い必然的に生じた損害を含め、必要かつ合理的な範囲で賠償すべき損害とされています。また、住民の被ばくの不安や恐怖を緩和するために、地方公共団体等が行う検査等に係る費用も、賠償すべき損害とされています。
Q:今回示された賠償の内容について、いつから請求が可能となるのでしょうか?
A:東京電力は、原子力損害賠償紛争審査会が示した指針の趣旨を踏まえ、迅速かつ公正な賠償の実施に全力を尽くすとしており、不動産等の賠償については4月中に基準策定の方針を公表することとしておりますが、今回の第二次追補に対応する原子力損害賠償についても、すみやかに賠償が開始されることを期待しています。
【参考】「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針第二次追補(政府による避難区域等の見直し等に係る損害について)」
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/03/16/1309711_6.pdfQ:今日は、政府原子力被災者生活支援チームの金内理恵さんに伺いました。どうもありがとうございました。
A:どうもありがとうございました。